アメリカキャンピングカー生活事情

一口にキャンパー生活といっても様々な形態がある。いわゆるフルタイムRVerから、趣味の
週末キャンパー、そして移動はしないでただ単に家の代わりにトレーラーに住んでいるという
人々まで。このページは,アメリカのRV事情について,何の脈絡も無く書いてみた。なおこの分
類は全く独断と偏見による物であり、なんの統計に基づく物ではないことをお断りしておく。


車体形状による分類
キャンピングカーといっても様々な形がある。まずは,その大まかな分類の話。
・クラスA
いわゆる伝統的モーターホーム。四角いバス型の物を呼ぶ。キャン
ピングカーの王道的存在。通常はローカルトランスポーテーションの為に、後ろに小さめの乗
用車を引いて移動する。そのため、万が一本体に何かトラブルがあっても、避難または救援を
呼ぶための移動手段がバックアップとして確保されている。大型のものは、スライドアウト(キャ
ンプの時に車体の一部がせり出し、室内空間が広がる仕組み)が2つついているものもある。
サイズ: 21 〜 40 feet
価格:$50,000 〜 $500,000。平均 $81,400。ハイエンドは、$1,000,000 を超すものもある。中古
で、$8,000 〜 $200,000。

・クラスB
普通のワンボックスのバンを改造したもの。一人旅なら十分。屋根がポップア
ップするものなどもあるが、スライドアウトなどはない。価格的には下記のクラスCとさほど変わ
らないが、運転は普通の15人乗りのバン程度に、楽ではある。
サイズ: 16 〜 21 feet
価格: $33,000 〜 $65,000。平均 $43,600。中古で、$5,000 〜 $15,000。

・クラスC
トラックの荷台をはずし、そこにキャンパー部分を換装したもの。クラス
Aのように、後ろに小さめの乗用車を引いて移動する事が多い。運転席の上部がベッドルーム
になっている。スライドアウトがついているものはあまり見ない。
サイズ: 20 〜 28 feet
価格: $43,000 〜 $65,000。平均 $48,500。中古で、$5,000 to $20,000。

・5thWheel
被牽引系では
最も大型。同じ長さであれば通常のトレーラーよりも引く
のは楽だが、荷台に大きな連結器(ヒッチ。右の写真。)
をつけたトラックでしか引けない。また、全ての被牽引系
にいえることだが、慣れないとバックは、直線ですらたい
へんである。上のイラストのように、トラックの荷台にのっ
かっている様な部分が、通常ベッドルームになっており、
「二階建て」の雰囲気がある。現在作られているほとんど
の 5thWheel は、スライドアウトがついており、スライドア
ウトが3つもあるような巨大なものもある。
一番かっこいい(独断)。


 
 荷台のど真ん中に鎮座ましますヒッチ。
 接続面はグリスでベタベタ。
サイズ: 21 〜 40 feet
価格: $14,000 〜 $100,000。平均 $23,200。中古で $1,000 〜 $45,000。被牽引系は、エンジン
が無いだけに、装備の割に価格が安いのが魅力である。

・トレーラー
いわゆるキャンピングトレーラーといえば、この形であろう。サイズや
デザインもまちまちで、バラエティーに富んでいる。大型のものの内部は、完全に”家”である。
ずっと同じキャンプ場におきっぱなしで、別荘のように使っている人もいる。スライドアウトは1
つか2つ。住んじゃってる方々はほとんどこのタイプ。トレーラー特有の「フィッシュテール現象
(ケツ振り)」など、運転には注意が必要。
サイズ: 12 〜 35 feet
価格: $9,500 〜 $63,000。平均 $14,300。中古で、 $1,000 〜 $25,000。

・ポップアップ
週末キャンパー向けの、折り畳みキャンピングカーとでも呼べるようなも
の。両端の飛び出している部分はテントのような素材でできているベッドルーム。これを畳んで
屋根を下げれば、半分の高さになるので、移動は楽になる。バックができなくても、手でも押せ
るので、初心者には向いている。トイレやシャワーはついていないものが多い。
サイズ: 15 〜 23 feet (展開時)
価格:$3,300 〜 $10,500。平均 $5,300。中古で、$2,000 〜 $5,000。

・ヤドカリ型
トラックキャンパーと呼ばれる。その名の通りトラックの荷台に積める
キャンパー。キャンプ場に着くと4本の足を出して、トラックだけズボッと抜くことができる。ひとり
で週末釣りに行くなどの使われ方が多い。シャワーやトイレまでついているものもある。
サイズ: 18 〜 21 feet
価格: $8,000 〜 $22,000。平均 $12,000。中古で $1,000 〜 $8,000。


人による分類
・週末キャンパー
趣味がキャンプという人々。木曜日には全てキャンプの準備を終え、金曜日の仕事が終わって
からキャンプサイトに行き、バーベキューや、釣りなどを楽しむ。一人、家族と離れてと見受け
られる人もたまにいるが、通常は30代ぐらいの家族連れである。ポップアップや、トレーラー、
レンタルのクラスCなどが多い。

・フルタイムRVer
最も多いと思われるのが、定年退職後のおじいちゃんおばあちゃん達がアメリカのいろんな所
を見たい、もしくは全国各地にちらばった孫に会いに行こうなどというような理由で、全米を旅し
ているというような方々である。家を売って買ったというような、クラスAやクラスCもしくはでか
い5thWheel が多い。ちゃんと家を持っていて一年のうち半年ぐらい旅に出ているというようなセ
ミフルタイマーとでも呼べるような人も多い。

・その他の人々
少数ではあるがプロのカーレーサーや、行商のような形で全米を回っているような人々もい
る。または、プロスカイダイバーやパッカー?
セミカーゴ型のトレーラー、もしくは、クラスA+カーゴトレーラーなど。

・住んじゃってる人達
ホームレスに毛が生えたような人達(ハワイのビーチパークにもよく見受けられた)から、全米
を回りきってとりあえず気に入ったキャンプサイトに落ち着いちゃったおじいちゃんおばあちゃ
ん達のような老人ホーム状態の方々など、その人生を想像するときりがないというような人々。
トレーラーや5thWheelなどのモーターレス(被牽引系)が多い。



フックアップ
・フルフックアップ
電気、水道、下水。キャンプ場によっては、ケーブルテレビや電話などもあるところも。ただし、
電話は通常長期滞在者用。

左のポストのようなのが、電気のコンセント。右側の白いホ
ースがついているのが水道。

 下水ホースの接続。ただの穴が空いているだけの所も
 多く、見つけるのに苦労する場合も。


・2フックアップ
電気と水道のみ。下水はホールディングタンクに溜め、通常キャンプ場入り口付近にあるダン
プステーションに捨てる。

・ノーフックアップ
スペースのみで、接続はない。ドライキャンプともいう。

・インターネット接続
ない。セントラルモデムフックアップとかモデムフレンドリーなどと広告に書いてあるところもあ
るが、ただ、事務所の電話線を貸してくれるというだけ。ウチは携帯を使っているが、死ぬほど
のろい。(電話線の半分以下)
サテライトを使っている人もいるが、下りのみで上りは携帯なので9600bps。ちなみに上下サテ
ライトというシステムも最近発売されたが、$6000ぐらいするらしい。
ごく希に、無線LANでブロードバンドが使えるというキャンプグラウンドもある。

・テレビ
ほとんどの人はサテライトのディッシュアンテナを立てているので、これに関しては不自由がな
い。ただ、キャンプ場によっては木が多くてサテライトが入らないところも。ケーブルテレビのフ
ックアップがあるところは,ディッシュを立てていない人も多い。

・電話
電話のフックアップがあるところは、通常滞在期間の制限がない長期滞在者用キャンプサイ
ト。その中でも電話を引いているのは、住んじゃってる人達のみ。
大都市近郊のキャンプグラウンドには、インスタントフォンフックアップがあるところもある。



キャンプグラウンド

全米には、約30,000ヶ所ものキャンプグラウンドがある。分厚い電話帳のようなディレクトリ
ーがあり(ウチが利用している本は14,500のキャンプ場が載っている)、場所、設備、料金
等が記載されている。
利用できる期間が限られている場所と、年中無休で開いている場所がある。他に、メンバーシ
ップに入ればディスカウントがあるキャンプ場も多いのでかなり有効。設備の整った所から、何
か出てきそうな雰囲気の所まで、ピンからキリ。
アメリカの休日はほとんど全て月曜日に設定されているので、休日を含む週末は事前に予約
を入れておかないとひどい目に遭うことも。プライベートのものとステイトで管理しているものに
分かれ、前者の方が設備がよい分料金は高い。ステイトパークは期日限定で利用できるもの
が多い。
料金は通常プライベートで、$25〜$30/1泊。高いところだと$88/1泊なんていうところ
も。もちろん weekly や monthly などの割引もある。
ステイトパークなどでは、無料〜$15/1泊ぐらい。ただし、フルフックアップは滅多にない。通
常は滞在期限が2週間などと決まっているので、住んじゃってる人はいない。
たいてい、日がな一日、オーニング(日除け)の下でのんびりしているようなおじいちゃんおば
あちゃん達がいるので、治安は結構よいようだ。



その他

・バック
トレーラーや 5thWheel のバックは、慣れないと難しい。よく、「初めに逆に切る」などと言われ
ているヤツだ。
自分としては「牽引車の車体の向きが、全体としての前輪の向き」と、理解している。つまり、牽
引車自体が前輪であり、トレーラーの車輪が全体にとっての後輪となる。
また、直線バックは、ステアリングをまっすぐに保っていても、始めに牽引車とトレーラーに少し
でも角度がついていれば、その角度はどんどん大きくなっていくことになる。その為、牽引車と
トレーラーをまっすぐに保つように、常に細かい修正が必要になる。
まず始めに、WalMart などのでかい駐車場で夜中にでも練習するといいかもしれない。
トレーラーのバックについては、トレーラーパークというHPに詳しい解説があるので、参考にさ
れたい。

・水周り
通常は、フレッシュタンク(飲料水)、グレータンク(シャワー、キッチン等からの排水)、ブラック
タンク(うんこ)と、3つのタンク(各30ガロンぐらい。約120リットル。)を床下に装備している。
ウチの場合は、グレータンクがシャワー・洗面と、キッチンで分かれているので、合計4つ、12
0ガロン・約480リットルのタンクが装備されている。
ドライキャンプでもない限り、水の接続はあるので、フレッシュタンクに水を入れることは少な
い。フルフックアップの場合、グレーはいつも開けっ放しで、ブラックは移動する前に流す。次
のキャンプ地でドライキャンプをする予定でも無い限り、移動中は全てのタンクを空にしておか
ないと、重量がかさみ、燃費や操縦性に悪影響を与える。

・うんこ
30ガロン(約120リットル)のブラックタンクは、二人で生活してだいたい一週間から十日で、
いっぱいになる。フルフックアップでも、ブラックタンクは普段は閉めてあるので、たいてい移動
前には流すことにしている。
この 5thWheel を買ってすぐに、フレッシュウォーター
タンクが高速を走行中に突然落ちた
という経験があ
るので、特にうんこはもって歩きたくない。
通常キャンプ地では、下水は sewer ホースで繋ぐ。
最近の流行は、一部透明の繋ぎ。何回か水を満た
し、きれいになったことを確認できるからである。
でも、初めの何回かの茶色いのは、いくら身内のモノ
とはいえ食前食後はあまり見たくはない。

右の写真は、ブラックタンク、グレータンクと、sewer ホースとの接
続部分。3つの排水バルブと、小さな丸い緑色の注水バルブがつ
いているので、少し複雑で写真ではわかりづらいかもしれない。
 


・電気系
室内照明や、ウォーターポンプ、ホールディングタンク
の凍結防止用ヒーター等は、12V、その他の家電製
品は、115Vなので、配電盤には普通の家庭用ブレ
ーカーと、自動車用のヒューズの両方がついている。
クラスAやクラスCなどは、インバーターやジェネレー
ターがついているが、 5thWheel やトレーラーには、普
通、コンバーター/チャージャーとバッテリーが装備さ
れているのみなので、電気系は比較的単純である。
そのかわり、ドライキャンプの時には、115Vの電化
製品や、エアコンは使えない。ちなみに、冷蔵庫は、
115Vとプロパンの2wayである。


・空調
冷房は115V、暖房は標準装備ではプロパンガスを使う。ただ、我が家では、暖房も電気ファ
ンヒーターを使っている。プロパンで暖房した場合、30ポンド(普通これが2本装備されてい
る。暖房に使わなければ、1本2週間は保つ。)のタンクが、3日でなくなる。電気代は、キャン
プ代に含まれているので、いわばタダなのだ。



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